28日昼前、浜田耕太郎の告別式が、岡山市郊外の葬儀場で行われた。
高野内、園町、窈子、江波、妹尾、難波、近藤、真野、それに真由子の9人は、告別式に参列していた。岡田だけは、参列せず、裁判所へ、逮捕状を請求しにいっていた。
西住建設の部長取締役の告別式なので、その日は、西住建設は、臨時休業をし、社員のほとんどが葬儀に参列していた。
葬儀場の駐車場には、黒塗りの高級車が多数集まっている。
また、花輪の数もただ多いだけではなく、国土交通大臣や、日本創明党や民自党の主な国会議員や、岡山県議会議員など地方議員の花輪が並んでいた。それ以外にも、有名なタレントなどの花輪もあった。
喪主は、耕太郎の妻だが、葬儀、告別式の費用のほとんどは、バックについている西住建設が出したのだろう。
それが、西住建設の力を示すもののようにみえた。
「その人たちは、金と利益で結びついているからな。西住親子が逮捕されれば、みんな、あっという間に逃げていくと思うぜ」
と、高野内は言った。
西住晴伸は、喪主ではないが、参列者の前で、浜田耕太郎が亡くなったことを弔うように言っていた。また、優秀な部下を失い言葉にできないくらい無念な気持ちでいっぱいであることも言っていた。
高野内たちには、それらが芝居のように見えた。
「そう言っていられるのも、今のうちよ」
と、真由子は、微笑しながら言った。
夕方5時頃、岡山市街地のあるホテルの大広間で、記者会見が開始された。
高野内、園町、窈子、江波、妹尾、難波、近藤、真野、真由子、岡田の10人も、そのホテルへ行った。
岡田は、逮捕状を持っていた。
記者会見の行われている大広間には、記者たちのほか、西住晴伸、西住伸吾、秘書の池上雅典の3人がいた。
西住親子は、自信満々そうな顔で記者たちの前にいた。
高野内たちには、その記者会見で、西住建設や西住親子に関するよからぬ噂を払い去ろうという考えているように思えた。
記者たちが次々と質問を繰り返していた。
西住晴伸に伸吾は、それらに言葉巧みに答えていった。
西住親子にかかわりを持っていた人たちが、約15年の間に多数亡くなっていることについては、事故死や自殺であって、自分たちには一切関係ないことを言っていた。
1人の記者が、
「警察は、伸吾さんが起こした事件をもみ消すために、それらに関わる人物を殺害したと睨んでいると聞いたのですが、それについて、どう思われていますか?」
と、西住親子に向かっていった。
すると、西住晴伸が、
「それは、警察が勝手にそう思い込んでいるだけです。私たちは、何も罪になることはしていませんよ。警察がどこまでも疑うのなら、嫌疑が晴れるまで、断固戦うつもりです!」
と、きっぱりと言った。
「じゃあ、西住さんは、事件には、一切関わっていないとおっしゃるのですね」
「当然だ!」
と、西住晴伸は言ったあと、
「警察は、証拠もないのに、我々を容疑者として扱っています。国民を守る警察が、そのようなことをするのは、断じて許せない。さっきも言ったが、容疑が晴れるまで、断固戦います!」
と、はっきりとした強い口調で言った。
それに対して、高野内が、
「大勢の人を殺していながら、自殺だの事故だのいって、自分たちだけは助かろうと考えているのですね」
と、西住親子のほうを向いて言った。
記者たちの眼は、高野内たちのほうへ向いた。
「みなさん、警察の人は、このように、私たちを犯人扱いしています。証拠もないのに、無実の者を犯罪者扱いする姿勢は、断じて許せません」
と、西住晴伸は言った。
「証拠がないとおっしゃるのですか」
と、高野内が、微笑しながら言うと、
「何か証拠があるのか? あるのなら見せてみたまえ!」
と、西住晴伸は、挑発するような言い方で言った。
すると、高野内は、江波のほうを向いて、
「あれを出せ」
と言った。
「わかりました」
と、江波は言ったあと、バッグから、テープレコーダーを出して、再生ボタンを押した。
西住晴伸が、戸塚雅明に、藤野を事故死に見せかけて殺害するように指示する声が流れた。
西住親子の顔は、一気に真っ青になった。
「これだけじゃないぜ」
と、高野内が言うと、江波は、テープを入れ替えた。
今度は、西住晴伸が、荻田勲に、宮川達彦が亡くなった件について、教員の平山義彦が感づいているから、消してほしいということを言っている声が流れた。
顔色がますます変わっていく西住親子に向かって、近藤が、
「もう言い逃れできんけえのー」
と言った。
そのとき、岡田は、真由子に逮捕状を渡した。
そして、真由子が、その逮捕状を手に持って、見せながら、
「西住晴伸、西住伸吾、あなたたち2人を殺人などの容疑で逮捕します。また、池上雅典も、共犯の容疑で逮捕します」
と言った。
そして、近藤が晴伸に、園町が伸吾に、妹尾が池上に、手錠をかけた。
3人は、警察本部へ連行されることになった。
それを見ていた記者たちは、意外な事の成り行きに呆然としていたが、少し経つと、それを記事にするために、次々と、高野内たちのほうへ寄ってきた。
西住親子と池上の3人は、手錠姿で、岡山県警本部に連行された。
高野内、園町、窈子、江波、妹尾、難波、近藤、真野、それに真由子の9人は、告別式に参列していた。岡田だけは、参列せず、裁判所へ、逮捕状を請求しにいっていた。
西住建設の部長取締役の告別式なので、その日は、西住建設は、臨時休業をし、社員のほとんどが葬儀に参列していた。
葬儀場の駐車場には、黒塗りの高級車が多数集まっている。
また、花輪の数もただ多いだけではなく、国土交通大臣や、日本創明党や民自党の主な国会議員や、岡山県議会議員など地方議員の花輪が並んでいた。それ以外にも、有名なタレントなどの花輪もあった。
喪主は、耕太郎の妻だが、葬儀、告別式の費用のほとんどは、バックについている西住建設が出したのだろう。
それが、西住建設の力を示すもののようにみえた。
「その人たちは、金と利益で結びついているからな。西住親子が逮捕されれば、みんな、あっという間に逃げていくと思うぜ」
と、高野内は言った。
西住晴伸は、喪主ではないが、参列者の前で、浜田耕太郎が亡くなったことを弔うように言っていた。また、優秀な部下を失い言葉にできないくらい無念な気持ちでいっぱいであることも言っていた。
高野内たちには、それらが芝居のように見えた。
「そう言っていられるのも、今のうちよ」
と、真由子は、微笑しながら言った。
夕方5時頃、岡山市街地のあるホテルの大広間で、記者会見が開始された。
高野内、園町、窈子、江波、妹尾、難波、近藤、真野、真由子、岡田の10人も、そのホテルへ行った。
岡田は、逮捕状を持っていた。
記者会見の行われている大広間には、記者たちのほか、西住晴伸、西住伸吾、秘書の池上雅典の3人がいた。
西住親子は、自信満々そうな顔で記者たちの前にいた。
高野内たちには、その記者会見で、西住建設や西住親子に関するよからぬ噂を払い去ろうという考えているように思えた。
記者たちが次々と質問を繰り返していた。
西住晴伸に伸吾は、それらに言葉巧みに答えていった。
西住親子にかかわりを持っていた人たちが、約15年の間に多数亡くなっていることについては、事故死や自殺であって、自分たちには一切関係ないことを言っていた。
1人の記者が、
「警察は、伸吾さんが起こした事件をもみ消すために、それらに関わる人物を殺害したと睨んでいると聞いたのですが、それについて、どう思われていますか?」
と、西住親子に向かっていった。
すると、西住晴伸が、
「それは、警察が勝手にそう思い込んでいるだけです。私たちは、何も罪になることはしていませんよ。警察がどこまでも疑うのなら、嫌疑が晴れるまで、断固戦うつもりです!」
と、きっぱりと言った。
「じゃあ、西住さんは、事件には、一切関わっていないとおっしゃるのですね」
「当然だ!」
と、西住晴伸は言ったあと、
「警察は、証拠もないのに、我々を容疑者として扱っています。国民を守る警察が、そのようなことをするのは、断じて許せない。さっきも言ったが、容疑が晴れるまで、断固戦います!」
と、はっきりとした強い口調で言った。
それに対して、高野内が、
「大勢の人を殺していながら、自殺だの事故だのいって、自分たちだけは助かろうと考えているのですね」
と、西住親子のほうを向いて言った。
記者たちの眼は、高野内たちのほうへ向いた。
「みなさん、警察の人は、このように、私たちを犯人扱いしています。証拠もないのに、無実の者を犯罪者扱いする姿勢は、断じて許せません」
と、西住晴伸は言った。
「証拠がないとおっしゃるのですか」
と、高野内が、微笑しながら言うと、
「何か証拠があるのか? あるのなら見せてみたまえ!」
と、西住晴伸は、挑発するような言い方で言った。
すると、高野内は、江波のほうを向いて、
「あれを出せ」
と言った。
「わかりました」
と、江波は言ったあと、バッグから、テープレコーダーを出して、再生ボタンを押した。
西住晴伸が、戸塚雅明に、藤野を事故死に見せかけて殺害するように指示する声が流れた。
西住親子の顔は、一気に真っ青になった。
「これだけじゃないぜ」
と、高野内が言うと、江波は、テープを入れ替えた。
今度は、西住晴伸が、荻田勲に、宮川達彦が亡くなった件について、教員の平山義彦が感づいているから、消してほしいということを言っている声が流れた。
顔色がますます変わっていく西住親子に向かって、近藤が、
「もう言い逃れできんけえのー」
と言った。
そのとき、岡田は、真由子に逮捕状を渡した。
そして、真由子が、その逮捕状を手に持って、見せながら、
「西住晴伸、西住伸吾、あなたたち2人を殺人などの容疑で逮捕します。また、池上雅典も、共犯の容疑で逮捕します」
と言った。
そして、近藤が晴伸に、園町が伸吾に、妹尾が池上に、手錠をかけた。
3人は、警察本部へ連行されることになった。
それを見ていた記者たちは、意外な事の成り行きに呆然としていたが、少し経つと、それを記事にするために、次々と、高野内たちのほうへ寄ってきた。
西住親子と池上の3人は、手錠姿で、岡山県警本部に連行された。