3月1日の早朝、岡山県警本部では、西住親子と池上に対する取調べが、まだ続いていた。
「じゃあ、次は、野崎征太郎殺害の件について、話を聞かせてもらおうかのう」
と、近藤は言った。
すると、池上は、
「野崎は、15年前の事件が起きた後は、社長や伸吾さんに不利な事実は隠蔽し、こちらに有利になるように便宜を図ってくれていました」
と答えた後、
「しかし…」
と言った。
「どうしたんかのう?」
と、近藤が言うと、
「社長の会社が成長し、社長としても地方議員としても知名度があがるにつれて、野崎は、急に態度を変えてきたのです」
と、池上は言った。
「どうしたじゃ? 野崎さんも、ゆすりをしてきたんかのう」
と、近藤が池上の顔をじっと見ながら言うと、
「はい。そうです」
と、池上は言ったあと、
「しばらくは、社長や伸吾さんのために、便宜を図ってくれたのに、急に態度を変えて、カネを要求してきたのです。そうしないと、証拠を揃えて、事実を公表するぞ、と、野崎は、脅してきました。そこで、仕方なく、社長は、野崎に、毎月一定の額を渡していました。
野崎が警察官だった頃は、彼が要求してきた額は、社長にとってはたいした金額ではなかったのですが、野崎が警察官を退職後、急に、カネの要求がエスカレートしてきました」
と、説明した。
「それで、殺したんじゃな!」
と、近藤が険しい目つきで言うと、池上は、
「はい」
と、返事した後、
「それで、社長の命令で、野崎のブランデーに青酸カリを混入しました」
と言った。
「じゃあ、次は、荻田勲殺害の件について、聞かせてもらおうかのー」
と、近藤は言った。
すると、池上は、初めは、荻田を殺害する予定はなかったが、荻田が交通事故を起こした上、警察に連行されそうになったという情報を得た西住親子が、急遽、暴力団員に、荻田が警察署に到着する前に、荻田を消すように依頼したことを説明した。
池上の供述によると、荻田殺害に関わった暴力団員は、神崎と谷合だった。
谷合は、ダンプカーを強奪すると、荻田の乗った警察車両を追いかけ、故意に衝突して跳ね飛ばし、殺害したのだという。
荻田とともに、死亡した笠松と宮本の2人の機捜隊員は、巻き添えである。
そのあと、谷合は、追いかけてきたパトカーの妨害をしたあと、逃走したのだという。
そして、神崎が谷合を口封じに殺害したことを、池上は、近藤に話した。
それに続いて、池上は、
「谷合をいいように利用したあと消す計画は、ずっと前からありました」
と言った。
「どういうことかのう?」
と、近藤が言うと、
「谷合は、所属していた組の内部情報を漏らしているという噂もあり、組の中でもかなり厄介者だったそうです。それで、組では、谷合を消す計画があったそうです」
と、池上は答えた。
「それで、急遽、荻田殺害の実行役として、利用した後、神崎が殺害したんじゃな」
と、近藤。
「はい」
と、池上。
こうして、野崎、荻田、谷合殺害の真相が明らかになっていった。
その後も、池上に対する取調べは続いた。
「じゃあ、次は、野崎征太郎殺害の件について、話を聞かせてもらおうかのう」
と、近藤は言った。
すると、池上は、
「野崎は、15年前の事件が起きた後は、社長や伸吾さんに不利な事実は隠蔽し、こちらに有利になるように便宜を図ってくれていました」
と答えた後、
「しかし…」
と言った。
「どうしたんかのう?」
と、近藤が言うと、
「社長の会社が成長し、社長としても地方議員としても知名度があがるにつれて、野崎は、急に態度を変えてきたのです」
と、池上は言った。
「どうしたじゃ? 野崎さんも、ゆすりをしてきたんかのう」
と、近藤が池上の顔をじっと見ながら言うと、
「はい。そうです」
と、池上は言ったあと、
「しばらくは、社長や伸吾さんのために、便宜を図ってくれたのに、急に態度を変えて、カネを要求してきたのです。そうしないと、証拠を揃えて、事実を公表するぞ、と、野崎は、脅してきました。そこで、仕方なく、社長は、野崎に、毎月一定の額を渡していました。
野崎が警察官だった頃は、彼が要求してきた額は、社長にとってはたいした金額ではなかったのですが、野崎が警察官を退職後、急に、カネの要求がエスカレートしてきました」
と、説明した。
「それで、殺したんじゃな!」
と、近藤が険しい目つきで言うと、池上は、
「はい」
と、返事した後、
「それで、社長の命令で、野崎のブランデーに青酸カリを混入しました」
と言った。
「じゃあ、次は、荻田勲殺害の件について、聞かせてもらおうかのー」
と、近藤は言った。
すると、池上は、初めは、荻田を殺害する予定はなかったが、荻田が交通事故を起こした上、警察に連行されそうになったという情報を得た西住親子が、急遽、暴力団員に、荻田が警察署に到着する前に、荻田を消すように依頼したことを説明した。
池上の供述によると、荻田殺害に関わった暴力団員は、神崎と谷合だった。
谷合は、ダンプカーを強奪すると、荻田の乗った警察車両を追いかけ、故意に衝突して跳ね飛ばし、殺害したのだという。
荻田とともに、死亡した笠松と宮本の2人の機捜隊員は、巻き添えである。
そのあと、谷合は、追いかけてきたパトカーの妨害をしたあと、逃走したのだという。
そして、神崎が谷合を口封じに殺害したことを、池上は、近藤に話した。
それに続いて、池上は、
「谷合をいいように利用したあと消す計画は、ずっと前からありました」
と言った。
「どういうことかのう?」
と、近藤が言うと、
「谷合は、所属していた組の内部情報を漏らしているという噂もあり、組の中でもかなり厄介者だったそうです。それで、組では、谷合を消す計画があったそうです」
と、池上は答えた。
「それで、急遽、荻田殺害の実行役として、利用した後、神崎が殺害したんじゃな」
と、近藤。
「はい」
と、池上。
こうして、野崎、荻田、谷合殺害の真相が明らかになっていった。
その後も、池上に対する取調べは続いた。